医学部受験で9年浪人”教育虐待”の果てに母殺害
医者になるように強く希望した母親が子供に9年も浪人させた挙句、子供に殺されてしまった。という悲しいニュースです。
母親の異常な干渉で、子供が追い詰められ、行き着いた悲劇です。浪人を重ねるごとに今まで投資してきた時間やお金がもったいなくなるから、絶対に医学部に合格させないといけないという気持ちが年々高まっていったのでしょう。
でも、これって他人事で済ませていいとはどうしても思えません。
中学受験を題材にした漫画、「二月の勝者」での第一話では、教師が教え子に向けて、「君達が合格できたのは、父親の『経済力』そして、母親の『狂気』だ!」と言い放つところから始まります。
このセリフを最初に聞いた時、妙に納得してしまいました。
そして、中学受験というのは、子供に極限まで無理を強いる狂った世界なのだろうかと、怖い思いをしたのを覚えています。
うちでは、あまりに子供が、”もう無理だ!” となった時は、地元の公立中に切り替えるのもありだと思っています。
サンクコストという概念を知っておく
子供が精神の変調を来すほどの限界になった場合は、今まで費やしてきた時間やお金をあきらめ、子供の未来に目を向ける。
要は、サンクコストを考えてはいけない!! ということです。
サンクコストというのは、取返しのつかないコスト(既に回収が不可能なコスト)は考えてはいけないということです。
よく 経済学の授業では、映画のチケットに例えられます。映画を見ていて、つまらなかったとします。そんなときに、「せっかくチケットを買ったのだから、最後まで見よう」と思う人は、要注意です。
すでにチケット代は返ってこないので、つまらない映画は最後まで見ずに帰る。その分、違うことに時間を使うのが正解です。
この返ってこないチケット代のことをサンクコストといいます。返ってこないチケット代は、どちらにせよ回収できないコストなので考えてはダメなのです。
考えるべきなのは、これからの行動で変えられる未来なのです。
これ、そっくりそのまま中学受験にも当てはまります。
今まで中学受験のために、相当の時間と塾代を費やしてきた。それがもったいないからといって、子供が精神病みそうなのをムチ打って続けるのは、間違っています。
過去の投資は、どうしたって返ってこない。過去のことは一切考えず、子供にとってこれからどんな道がふさわしいのか一緒に考える。そんなことが大事なのではないか、と考えさせられた記事でした。
それでは、また。
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